昭和、平成の日本舞踊の先生が必ず持っていた日本舞踊曲集覧。
私が最後に買ったのは2009年で、お弟子さんが欲しいと言っていたのをAmazonで見つけました。
ちなみに母は2冊(1冊はボロボロで二つに割れてます)、私も1冊持っています。
この本がなぜ日本舞踊家や日本舞踊に携わる演奏家さん達のバイブルのようになっているかというと…、
やはりこの1冊に集められた曲の圧倒的な多さです。
他にも資料はあるのですが、この本をみれば代表的な曲はだいたいあります。
長唄133曲、清元68曲、常磐津64曲、義太夫9曲、掛合物6曲。その他に地唄、小唄、新内等もたくさん歌詞が載っています。残念なのは昭和50年に初版を発行しているので大和楽は載っていません。
再版もかなりされていますが、ほぼ初版のままではないかと思います。
踊りを教わる時にはあまり気にしないのですが、唄の文句(歌詞)を正確に聞き取れなかったりします。長唄で習っていた曲なら覚えている物もありますが、すべての曲の唄を全部覚えている先生は稀と思います。
これが人に教える時や、地方(演奏する方、じかたと読みます)の先生達と打ち合わせする時に唄が分からないと困ってしまいます。
私が初めてこの本を買おうと思ったのは、20代前半のかけ出しの時に、舞踊会の後見のお仕事を頂いた時でした。会主の先生や地方さん達と打ち合わせをしている時に唄の文句でここからここまで飛ばしてとか、言ってる意味が分からず、困ってしまいました。
この時困ったのは藤娘ではなかったですが、日本舞踊の代表的な曲なので使いました。こんな感じで歌詞が載っています。
自分が稽古した物しか分からないと、その曲を本当に全曲稽古したのかどうかも分からなかったりします。
確認の為にも一冊あるととても便利なのですが、もう中古じゃないと手に入らないかもしれません。前に買ったAmazonでは中古品しか取り扱っておりませんでした。
但しお流儀によって順番等の違いもあり、時代によって文句が変わっている事もあります。私のお囃子の師匠は結構嘘も載ってるんだよなぁと言っていました。それでも何かと手に取る本なので、是非残して欲しいです。
アメブロもやってます。